2013年に行われたNTTコム リサーチ(旧:gooリサーチ)によると、学資保険の加入率は、10歳未満の子どもがいる家庭の場合で、57.2%であるという結果が出ています。また、加入率としては20代が最も高く、63.4%となっています。とはいえ、加入する時期によってはあまりメリットもないといわれているのが学資保険。
学資保険は必要なのか?必要ないのか?この記事では、学資保険のメリット、デメリットについて紹介します。
目次
学資保険とは?
学資保険とは、子どもの教育費として貯蓄する保険を指します。
その内容は保険料を毎月支払うことで積み立てとし、満了期になると満期給付金がもらえるというものです。
学資保険には、貯蓄型と保障型の2つがあります。
貯蓄型
貯蓄型の場合、支払った保険料の合計額より満期給付金の額が高くなるのが特徴です。
保証型
保障型は、親や子どもの生命保険が付帯している学資保険のことです。
この保障分があるために、満期給付金の額は支払った金額の合計よりも少なくなってしまいます。
貯蓄型にしても保障型にしても、保険料を支払う側に万が一のことが起こった場合、それ以降の振込が免除となるのが一般的です。
学資保険にはいるメリットとは?
学資保険に加入する最大のメリットは、強制的に貯蓄できることにあります。
また、「学資保険」という名称から、子どものためという意識が働き、意欲的に貯蓄できたり、途中解約をしにくくなるといった点も挙げられます。貯蓄型の学資保険では、支払った金額よりも多く給付金が戻ってくるというのも魅力です。
ただ一点、気をつけなければいけないのは、税金です。
学資保険は、生命保険料控除の対象となります。控除額は、年間払込の保険料の金額によって変動します。
なお満了期の給付金に関してかかる税金は、基本的にありません。それというのも、給付金は一時所得として扱われることとなり、この場合特別控除額の50万円が適用されるからです。ただし、積み立て金額が大きい場合や、他に一時所得があった場合は、特別控除額を超えてしまうと課税対象となってしまいます。
このことからも、課税対象から除外される臨時収入として考えるのであれば、学資保険に加入するメリットはあるといえます。
大学卒業までにいくらかかる?
AIU保険会社調べによると、誕生から大学卒業までにかかる基本的養育費は、約1,640万円であるという結果がでています。
その内訳は、
- 出産・育児費用:約91万円
- 22年間の食費:約671万円
- 22年間のおこづかい額:約451万円
- 22年間の衣料費:約141万円
- 22年間の保険医療理美容費:約193万円
- 子どもの私的所有物:約93万円
となっています。
そして、養育費とは別に必要となってくるのが、教育費です。
幼稚園から大学までかかる教育費は、高校まで公立、大学が国立の場合で約1,345万円。
小学校を除く全ての学校が私立でかつ大学が医学・歯科の場合は、約4,424万円となっています。
養育費と教育費の合計金額は、およそ2,985万円から6,064万円にも上ります。
多くの学資保険の満了期は、ほとんどの場合18歳、20歳、22歳の3つに設定されています。
よって、負担が一番大きくなる大学入学時にかかる費用を学資保険で補うという考えが一般的となっています。
学資保険が必要ない場合とは?
学資保険に加入するメリットはありますが、必要ないという方もいらっしゃいます。
先のリサーチによると、必要ないと考えている方の多くが
「学費のために預貯金をしているから」(35.6%)と回答しています。
他には、
- 学費のために投資を行っているから:7.6%
- 十分な資金を持っているから:4.8%
といった回答も見られます。
これらの理由が当てはまる場合は、学資保険に加入する必要はないともいえるでしょう。
また、学資保険に入らない理由として
- 「学資保険を取り扱っている会社が、給付金を受け取る段階まで倒産せずに存続しているかどうか」
- 「収入が不安定で毎月の支払が滞り、途中解約せざるを得ない可能性がある」
という不安から加入しないというご家庭もあります。
まとめ
学資保険が必要である、必要でないとに関わらず、子どものためにできる資産運用の手段として考えてみるのもいいかと思います。
その場合は、あれもこれもと欲張らずにシンプルな保険が一番。学資保険で損したという話も事実あります。やはり保険なので長期運用するほうがいいわけで、早期解約すると元金割れしてしまいうからです。
途中解約することのないように、無理のない掛け金で身の丈にあったものを選ぶのがポイントです。